インタビュー&コラム
INTERVIEW

「プロジェクトマネジメント力を武器に、上場企業のCFOへ」CFOインタビュー


「働くをもっと楽しく、創造的に」をコーポレートミッションに掲げ、社内外のテキストコミュニケーシを円滑にするビジネスチャットツール『Chatwork』の開発・運営を行っているChatwork株式会社。今回は、同社取締役CFO 兼 コーポレート本部長の井上直樹氏にお話を伺いました。

文学部に所属していた学生時代。そこからのキャリア選択

― 現在はCFOの井上さんですが、学生時代は文学部に所属されていたのですよね?

そうなんです、早稲田大学の第一文学部出身です。CFOのキャリアとしては珍しいかもしれませんね。なんとなく雰囲気的にアカデミックな感じがしたので、それで入っただけだったんですけどね(笑)

― そうだったんですね。ではこの当時はCFO的なキャリア、いわゆる財務面のキャリアを選択しようとは思っていなかったのですか?

そうですね。考えていませんでした。学生時代はずっと映画ばかり観ていましたね。

大学を卒業してからは、マーケティングに興味があったので広告代理店に入って、そこでは新聞のメディアバイイングを担当していました。この仕事も楽しかったのですが、もう少し本格的にマーケティングをやりたいなと思うようになって、戦略系のコンサルティング会社であるローランドベルガーに転職しました。

暫くコンサルタントとしてクライアント企業に接していたのですが、実業に携わってみたいという思いが強くなり、次は外資系のコンピュータ会社のDELLに移りました。そこでもまたマーケティングを担当する部署にいたのですけど、ただマーケティングというよりもう少し、営業戦略とか事業戦略を担当する役割でした。そこで事業会社の内部のことをより分かるようになって、そうこうしているうちに当時DELLで一緒に働いていた方が、同じPC業界のLenovoの日本の社長になられたので、可能性を感じLenovoに移りました。そこでは経営企画を担当し、次のステップとして2008年にリクルートに入社しました。

リクルートで積んだM&Aの経験

― 数々の企業でマーケティングが軸にあるキャリアを歩まれて来たのですね。まだCFOに繋がるキャリアが見えてきませんが、リクルートではどんなお仕事をされて来たのでしょうか?

リクルートでは、最初、事業開発室という部署に入り、新規事業のモニタリングみたいな仕事を担当していたのですけど、中々リクルートという会社の規模でインパクトのある新規事業をオーガニックで立ち上げるのは難しいと感じていました。そこでリクルートという会社で自分がどう働いていくか、どんなキャリアを描いていきたいかを考えとき、M&Aに携わる仕事がしたいと思いました。リクルートって国内では各種のシェアを取っていて一定の強さがありますよね。そこから拡大するには、当然海外との協業、M&Aも活発にしていく必要があるだろうと思っていましたし、実際に様々なプロジェクトが進んでもいました。それを見ていて自分もそこに関わりたいと思ったんです。

― では希望して部署異動を?

そうですね。今後のキャリアについて「どうしたい?」と上司に聞かれた時に、M&Aをやりたいという話をして。当時在籍していた事業開発室と、M&A等を担当する投資マネジメント室って距離的にもすごく机が近かったんですよ。当時の投資マネジメント室長もよく顔を合わせていた方なので、「まあいいよ」と言ってもらえて。でも当時はM&Aの作法も何も全然知らなかったので、入ってそこから勉強していったという感じです。

― すごいですね。かなり実地で経験を積まれたのですね。

そうですね。M&A、そしてその後のPMIも、リクルートで経験させてもらいました。