インタビュー&コラム

『「上場期限はずらさない」4回のIPOを達成した、覚悟と逆境のキャリア』CFOインタビュー
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今回は、GVA TECH株式会社で取締役/管理部長を務める秦野 元秀氏に、キャリアのターニングポイント、仕事に対する価値観、現職の事業及び組織の魅力を伺いました。
現職で取締役/管理部長として活躍する秦野 元秀氏の考えに触れることで、キャリア形成のヒントを得て頂ければ幸いです。
秦野 元秀(はたの もとひで)
GVA TECH株式会社 取締役/管理部長
新卒で証券会社に入社して10年勤務
2001年、イーコンテクスト(現デジタルガレージ)、管理部門で上場準備、2005年にIPO
2008年、駅探に入社、管理部門で上場準備、2011年にIPO
2016年、Gunosyに入社、管理部門で東証一部市場変更担当、2017年に東証一部上場
2018年、KIYOラーニング入社、管理部門で上場準備、2020年にIPO
2024年、GVA TECH入社、管理部門で上場準備、同年IPOを経て、現在に至る
目次本記事の内容
- 秦野さんのご経歴や経験
- GVA TECHの魅力とIPO
- これまでのキャリアを振り返って思うこと
秦野さんのご経歴や経験
ーー最初に、秦野さんが現職に至るまでのご経歴をお伺いしてもよろしいでしょうか。
新卒で証券会社に入社して、10年間勤務しました。
最初の3年は本社の引受部門で、いわゆる内勤の業務をやっていて、その後は支店で営業として外回りの仕事も経験しました。
証券会社で長く働くと勘違いが始まり「自分はある程度、経済・経営の知識や金融リテラシーも持っているじゃないか」とおかしな自信があったんです。
でも、友人を介して当時の社長に誘われ、事業会社であるイーコンテクスト(現デジタルガレージ)に転職してしばらくすると、その自信は簡単に打ち砕かれました。
B/SとかP/Lといった言葉は証券時代から当たり前のように使っていましたが、いざ実務に向き合うとB/SとかP/Lがどう出来上がっていくのか、売上計上のプロセスや費用計上といった話になると、まったく歯が立たなかったんです。
正直、自分の知識は“四季報の内容がある程度理解できるレベルだったんだな”と痛感しましたね。
この経験は大きくて、振り返ると実務の現場でこそ学べることがあると強く感じましたし、周囲からのアドバイスやサポートのありがたみも身に沁みて理解するようになりました。
イーコンテクストでは、管理部門で上場準備を担当して、2005年にIPOを実現し取締役も拝命したんですが、2008年には親会社との合併により上場廃止となりました。
その際にイーコンテクストを離れて3ヶ月くらい無職の期間があり、ハローワークにもはじめて通いました。
自身も30代半ばで子どももまだ小さかったですし、精神的にはかなりきつい時期でしたね。
その後は、駅探、KIYOラーニング、GVA TECHと、計4社のIPOと、Gunosyでの東証一部(現プライム市場)への市場変更に携わって、運よくすべて上場できました。
結果だけみると順風満帆と思われてしまうかもしれませんが、どれも決して順調にいったわけではなく、山あり谷ありでした。
イーコンテクストの次に入社したのが、乗り換え案内サービスを手がける「駅探」です。
ここは東芝の一部門がMBOで独立してできた会社で、IPO準備のために声をかけていただきました。
2011年3月に上場したんですが、上場後1週間後に東日本大震災が起きてしまいました。
当日準備していた上場記念パーティーは当然中止になりましたし、株価も大きく下がりました。
事業自体には直ちに大きな影響はなかったものの、人の移動が極端に減ったことで、サービスの利用にも少なからず影響はありましたね。
当時はガラケーからスマートフォンへの移行期でもあり、アプリが無料化していく過程でいろんなことがありました。
その後はニュース・エンタメのアプリを提供するGunosyに管理部長として入りました。
ここでは東証一部への市場変更を担当したんですが、ちょうどそのタイミングでトランプ政権が誕生して、一時的には市場が荒れていて。
本当にこのまま進めて大丈夫なのか、不安になりながらもなんとか対応して市場変更ができました。
2018年に参画したのがオンラインでの資格取得を提供するKIYOラーニングです。
ここでは、VCからの資金調達を経て、2020年7月にIPOを実現しました。
この年は春からのコロナ禍で上場延期や株価低迷が相次ぐ中での東証審査もバタバタでオンラインでもなく電話での審査対応で、何時間も審査官と電話でやり取りしました。
どうなるのか全く暗闇の中でしたが、競合の資格予備校の一時的な閉鎖などもあり、逆にオンライン学習の需要が高まって株価が上昇しました。
今思えば、あの上場は本当にタイミングに恵まれていたと思います。
その後、現職のGVA TECHのIPOに続きますが、各社の上場は、社会情勢や経済の波に大きく左右されました。
外部環境との向き合い方が、IPOの成否を分けることを痛感しています。
また、当たり前ですが一人でIPOができるわけでもなく、それぞれの会社で社長やメンバーにめぐまれ、私ができないことをサポートしてもらった結果だったな、と、これは本当にきれいごとではなく、心から感謝しています。
ーー現職のGVA TECHについても後ほど詳しく伺いたいのですが、その前にこれまでのご経験からIPOを成功させる上で最も大切なことは何だとお考えですか?

IPOを成功させる上で最も大切なことは、「上場期限を決めたら、ずらさないこと」だと思います。
上場準備はマラソンと同じで、山あり谷ありの長い道のりを走り、最後は超短距離走でもがいてゴールを目指して走っていく感覚です。
決まっていたゴールが直前で急に先に延びるとなったら、普通は気力も体力も持たなくなってしまいます。
仮に「〇年後の12月に上場する」と決めたら、それを起点に全てを逆算して、絶対にそのタイミングで上場するという覚悟と行動が必要です。......

